海外では2割の方が1年後に亡くなると言われている
骨粗鬆症による骨折のうち、特に大腿骨頸部骨折にはご注意ください。海外では大腿骨頸部骨折を起こした方の2割が1年後に亡くなると言われています。日本ではそこまでではありませんが、1割以上の方が亡くなっているのではないかと言われています。
決して患者様を脅かすわけではありませんが、そうした事実をきちんと伝えることも私たち医師の大切な役目です。骨粗鬆症は決して軽視していい病気ではなく、イメージよりも怖い病気なのです。
一般的にとらえられているよりも深刻な病気
血液に異常なし、お薬も必要なし、そういう方でも骨折は起こり、それをきっかけに認知症になる場合があります。様々なメディアで紹介されたことで、骨粗鬆症は耳馴染みのある病気となりましたが、一般的にとらえられているよりも深刻な病気なのです。決して骨がスカスカになるだけの病気ではなく、そこから起こる骨折が重要なのです。
背骨の圧迫骨折が起こると、次は大腿骨頸部骨折が待っています。また背骨が折れて曲がると、それほど食べているわけでもないのに腹圧が高くなって、逆流性食道炎になったり、誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。
腰が曲がっても「歳だから仕方ない」と片付けられてしまいがちですが、実は専門の医師からみればとても危険なサインなのです。